君とまどろみ

いつも眠たそう

君はわたしを君と呼ぶ

カップ酒は君とわたしによく似合っている。飲んだお酒の量を競う君は大学生の頃をいまだに引きずっていてかわいらしいよ。レモンをしぼるのは君のが得意だからおまかせする。目的地は一駅先なのに寒いからと電車に乗りたがるのは夏生まれの君らしい。わたしが甘えると、君はわがままだとひとつも叶えてくれず、いつもみたくかっこよくいてほしい言うけれど、君の目にはそう映っていたの。たまに年下らしいことを言って困惑させる。わたしが甘えられるのは君くらいなのに。煙草の煙の中、香水を感じる。コンクリートの壁に囲まれた部屋はいつも湿っぽい。君はいつかここを去ると言う。君は君のまま、やさしくおだやかでいられるところがきっとあるよ。気持ちがいいところが見つかるようにと心の中で祈る。サニーデイ・サービス白い恋人を聴きながら帰路に着く。そういえば、去年1番聴いた曲は君が教えてくれた曲だと言うことを伝えられなかったな。

創作かもしれないし、実話かもしれない。雪解け水がふたたび凍って、きらりとひかる日曜の朝までの話。君とまどろみ。