君とまどろみ

いつも眠たそう

あのとき死ななくてよかった

 

「あのとき死ななくてよかった」君が泣きながら笑った。目を擦る君がテーブルに置いた眼鏡がステンドグラス越しの朝日で光っている。ついさっきまで死にたがっていたわたしは今日まで生きられている。

ハムエッグと丁寧に刻まれたキャベツ、バターが塗られたトースト、キャラメルみたいに甘い香りのコーヒー。9月13日午前9時、上野の喫茶店 古城にて