君とまどろみ

いつも眠たそう

言葉に魂が宿る

 

 

 7時ぴったりアラームのとおりに起きる。まどろむ恋人のほっぺを撫でると、寝息が少し小さくなる。結局1時間くらい寝坊。おはようございます、と言う。おはようございます、と返ってくる。寝起きは子供みたいでかわいい。布団にくるまっていたのに、ぴょこんと起き、湯を沸かし、コーヒーミルをまわす。淹れてくれたコーヒーは今日も美味しい。ちゃんと化粧をして、髪ゆるく巻いたら褒めてくれた。恋人はお世辞を言わない。だからわたしは言葉のとおり、素直に受け止め、心にしまう。まっすぐなきれいな目で見つめられるとわたしの心の中まで見られているような気になって恥ずかしい。梅切の灰皿で煙草を吸っている恋人と、わたしたちの関係性について話した。男の人が言う、精神的なつながりっていうものは、わかるようでやっぱりよくわからない。他人だけど他人じゃない、と、他人じゃないけど他人、の意味は違う。言葉は難しいと彼は言う。何もしたくない、と言いながら仕事へ向かう彼。無理せずにね、と声をかけたけど今日もきっと無理をするんだろう。アクセル踏みすぎちゃったら、わたしが教えたおまじないを思い出してほしいな。行ってみたかったカフェへ向かう道中で、帰り際のハグを思い出してちょっと泣く。よわっちいあまったれ。おうちに帰ったら今朝のことも残しておこうって思った。道中の川沿いの植物は日に照らされ、のびのびとして美しかった。

 わたしは今日も綴って、しまっておく。当たり前ではない、いとおしい一瞬を忘れないでおくために。